ヘアメイクアーティストの年収・給料はどのくらい?ブライダルやフリーランスの場合もご紹介

テレビや映画、雑誌などの撮影現場で活躍するヘアメイクアーティストは、美容業界の花形ともいえる人気の職業です。華やかなイメージに憧れて、ヘアメイクアーティストを目指す方も多いのではないでしょうか。しかし、実際に気になるのは「ヘアメイクアーティストの年収はどれくらい?」「ヘアメイクアーティストの給料は高いの?」といった収入面の情報です。この記事では、現場で働くプロの視点から、ヘアメイクアーティストの年収や平均的な給料について詳しく解説します。加えて、給料を上げるために意識したいポイントや、キャリアアップの道筋についても紹介します。これからヘアメイクアーティストを目指す方や、収入アップを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ヘアメイクアーティストの平均年収・給料は?
ヘアメイクアーティストの年収は平均で約300万円前後、月収(給料)はおおよそ20万円程度が相場とされています。これはあくまで全体的な目安であり、実際の収入は個人の働き方や経験、勤務先によって大きく異なります。厚生労働省の「令和5年度 賃金構造基本統計調査」によると、ヘアメイクアーティストが含まれる「美容サービス業(※美容師を除く)」の平均年収は255万円、月収(給料)は20万円です。ただし、このデータにはエステティシャンやネイリストなど、他の美容サービス業の職種も含まれているため、ヘアメイクアーティストの給料や年収を正確に反映した数字とはいえません。また、ヘアメイクアーティストの年収は、美容業界の中ではやや高めではあるものの、日本全体の平均年収(約458万円)と比べると低い水準にあります。そのため、ヘアメイクアーティストの給料を上げたい場合は、スキルアップや実績づくりが欠かせません。より待遇の良い現場やポジションを目指すことが、年収アップにつながる大切なポイントです。
参照元:賃金構造基本統計調査|厚生労働省
ヘアメイクアーティストは働き方、働く場所によっても給料は変わる

ヘアメイクアーティストの年収や給料は、働き方や勤務先によって大きく異なります。どのような現場で働くか、どの立場でキャリアを積むかによって、収入に大きな差が出るのがこの職業の特徴です。
実際に、ヘアメイクアーティストにはさまざまな働き方や就職先があり、それぞれにメリット・デメリット、そして年収の傾向があります。自分に合った働き方を見つけることが、将来的に給料をアップさせる近道になります。
以下に、代表的なヘアメイクアーティストの働き方や職場を紹介し、それぞれの特徴と年収・給料の目安について詳しく解説します。
主な働き方と勤務先
・アシスタント
・化粧品メーカー
・ヘアメイクプロダクション
・ブライダルヘアメイクアーティスト
・フリーランス
・美容室
・フォトスタジオ
それぞれの働き方によって、どの程度の年収が期待できるのか、給料の上がりやすさなども含めて、詳しく見ていきましょう。
アシスタントの場合
ヘアメイクアーティストのアシスタントは、年収200万円を下回るケースもあります。そのため、研修期間や学習期間を給与だけで過ごすとなると厳しい給与体制といえます。一人前になるまでの期間は上達度やお店によりそれぞれですが、だれもがまずはアシスタントからキャリアをスタートさせます。アシスタントのうちからキャリアアップやスキルアップを目指して、人よりも多く経験を積むことも大切です。
化粧品メーカーなどの場合
化粧品メーカーでヘアメイクアーティストとして勤務する場合の平均年収は、240〜350万円が目安とされています。化粧品メーカーなどで働く場合は会社員となるため、比較的安定した収入が見込めます。
美容部員(ビューティーアドバイザー)や企業・メーカーの会社員として、商品の販売を行います。商品への知識をつけながら経験を積めるほか、商品開発に携われるなど、仕事の幅が広いのが特徴です。
ヘアメイクプロダクションの場合
ヘアメイクプロダクションで勤務する場合、多くは歩合制でスキルや実績が大きく反映されます。そのため、平均年収は150〜500万ほどと幅広いのが特徴です。主に、テレビや映画などの撮影でタレントさんのヘアメイクをします。
スキルはもちろん、現場に瞬時に対応できる順応力が養われ、実績に応じて年収もアップしていくでしょう。さらに経験を積むことで、指名を受けたり、契約を継続してもらえたり、場合によってはスカウトをされる可能性もあります。
ブライダルヘアメイクアーティストの場合
結婚式場で活躍するヘアメイクアーティストは、平均年収200〜500万円ほどとされています。決められた時間内に新郎新婦のお色直しをし、数多くのヘアセットやメイク、着付けの経験を重ねるため、高い技術が身につくでしょう。
ただし、ブライダルヘアメイクアーティストの雇用形態は結婚式が多く開催される週末だけといったケースも多いです。そのため、正規雇用での採用か、非正規雇用での採用かによって収入は大きく異なります。
フリーランスの場合
フリーランスの場合は実績や能力で収入が異なるため、年収1,000万円以上も夢ではありません。ヘアメイクアーティストに関連する仕事以外にも、営業や雑務などの事務作業もこなす必要がありますが、努力次第では収入を大きく増やしていけるでしょう。
フリーランスは経験と実績、人脈も必要となりますが、自分の希望する仕事が自由にできることが最大の魅力です。
美容室の場合
美容室勤務では、平均年収は300万前後が目安とされています。近年、トータルビューティーサロンが増えているため、アイブロウやヘッドスパなども行えるヘアメイクアーティストの需要が高まっています。スタイリストのなかでも指名が多い方は、さらに収入が高くなる傾向にあります。
フォトスタジオの場合
フォトスタジオでヘアメイクアーティストとして勤務する場合は、平均300万前後といわれます。大人から子どもまで目的に合わせたヘアメイクが必要なため、コミュニケーション力や臨機応変な対応力、高い技術が求められます。
ヘアメイクアーティストに残業代は支払われる?
ヘアメイクアーティストは、残業代が支払われる可能性が低いです。働く場所によっても異なりますが、撮影が長引いたり業務後に練習を行ったりすることもあります。ただし、細かく残業代が反映されるケースは少ないためあまり期待はできません。
ヘアメイクアーティストの年収・給料をアップさせるための方法

ヘアメイクアーティストの年収をアップさせるための方法を2つ紹介します。
- 経験を積みながら必要な資格を取得する
- フリーランスとして働く
詳しく解説します。
経験を積みながら必要な資格を取得する
ヘアメイクアーティストは、実際の経験と資格取得のために美容専門学校へ通う必要があります。カットだけでなくヘアセットをする場合も、美容師免許の取得が法律で義務付けられています。
美容師免許は、年齢や学歴に関係なく取得できる国家資格です。専門学校での知識、技能の習得が受験条件となっています。専門学校で経験を積み、知識を学びながら資格を取得することで年収アップにつながりやすくなります。
また、実際にヘアメイクアーティストとして働き出してからも、時代や流行をキャッチするために資格の取得が必要になる場合もあります。取得に役立つ資格は下記で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。ヘアメイクアーティストに関連した資格の取得は学ぶ大変さはありますが、クライアントの満足度を高められれば収入アップも期待できます。
フリーランスとして働く
フリーランスは、収入アップへの近道といえるでしょう。稼働時間が反映される収入面や、仕事の自由度、知名度が出てくると仕事の幅が広がるのもメリットです。
フリーランスとして働いていると、以下のような仕事やメディア関連の依頼を受ける可能性もあります。
- 本の出版
- ヘアメイク講座の講師
- コスメやヘア商品のコラボ
ヘアメイク以外の営業・経営スキルも必要ですが、フリーランスでの活躍を目標にスキルアップを図りましょう。
ヘアメイクアーティストのスキルアップにおすすめの資格

ヘアメイクの仕事で役に立つ資格は、美容師免許以外にも多く存在します。資格はクライアントやお客様へのスキルの証明や自己PRにつながります。資格が直接収入に反映するわけではありませんが、指名をいただいたり間接的に収入に反映したりする可能性が高くなるため、こちらも併せて確認してください。
ヘアメイクアーティストとして取得すると強みになる資格は以下のとおりです。
- 日本メイクアップ技術検定
- IBF国際メイクアップアーティスト認定試験
- 日本化粧品検定
- 色彩技能パーソナルカラー検定
- 着付け技能検定
5つとも取得必須ではありませんが、スキルアップだけでなく新たなフェーズで活躍できる武器となるため、興味のあるものはチェックしてみましょう。
JMA日本メイクアップ技術検定試験
JMA日本メイクアップ技術検定試験は、一般社団法人JMAが認定する試験で比較的規模が大きく知名度の高い資格です。メイクに必要な技術やテクニックが習得できているかを評価されます。メイクの技量がアピールできるため、美容業界を志すうえでおすすめです。
IBF国際メイクアップアーティスト認定試験
IBF国際メイクアップアーティスト認定試験は、IBF(国際美容連盟)が実施しており、国際メイクアップアーティストのライセンスが取得できます。国際的に証明できる資格で、希望者には活動のバックアップも受けられます。将来的に海外を視野に入れて働きたい方におすすめです。
日本化粧品検定
日本化粧品検定は、一般社団法人日本化粧品検定協会が実施する検定で、文部科学省が後援を行っています。化粧品への知識がある証明となり、実務に直結する点が魅力です。美容業界に携わるうえで役立つ資格のひとつです。
色彩技能パーソナルカラー検定
色彩技能パーソナルカラー検定は、メイクやファッション・インテリアなど多様な業界で利用されており、近年注目度の高い検定のひとつです。顧客の満足度を高めるためにも、取得しておきたい資格です。
着付け技能検定
着付け技能検定は、一般社団法人日本着付け技能センターの検定試験です。白無垢や色留袖、黒留袖、中振袖、紋服(袴・羽織)といった和の礼装に役立ちます。ブライダル業界だけでなく、和の撮影時や美容室勤務でも着付けの機会はあります。美容業界・ヘアメイク業界で重宝される資格です。
まとめ | ヘアメイクアーティストの給料・年収を高めるために専門学校で準備をしよう
ヘアメイクアーティストの年収は、平均でおよそ300万円前後といわれています。美容業界の中でも華やかで人気の高い職業ですが、下積み期間が長く、はじめは給料が安定しにくいのが現実です。そのため、「ヘアメイクアーティストの給料に不安がある」という声も少なくありません。そこで大切になるのが、専門学校在籍中にできる準備です。実践的な技術を学びながら、現場で役立つ資格を取得しておくことで、就職の際に有利になり、将来的な年収アップにもつながります。資格を持っていることで、より条件の良い職場やプロダクションへの就職チャンスも広がります。専門学校を選ぶ際は、自分の目標や将来像に合ったカリキュラムがあるかどうか、イベントや体験実習、サポート体制なども比較しながら選ぶのがポイントです。通信課程で資格取得が可能な学校もあるため、ライフスタイルに合わせて学ぶこともできます。ヘアメイクアーティストとして給料を上げたい、年収を高めたいという方は、まずは専門学校選びからしっかりと計画を立てて行動しましょう。