美容師になるには?一必要な免許やルートをわかりやすく紹介

美容師になるには、厚生労働大臣が認定した専門学校を修了して国家試験を受け、美容師免許を取得する必要があります。ただ、免許を取得したからといって無条件で美容師として認められるわけではありません。専門学校在学中に就活を行い、修了までに内定を受け取るパターンが一般的です。
この記事では、美容師になるまでの一般的なルートや、美容師になった後に必要な心得を解説します。
目次
美容師になるまでの一般的な流れ
美容師になるまでの一般的なステップは以下の通りです。
- 専門学校(美容師養成施設)に入学
- 就職活動
- 国家試験を受験・免許取得
- 美容師養成施設を修了
- アシスタントとして勤務
- スタイリスト(美容師)デビュー
まずは厚生労働大臣または都道府県知事が指定する「美容師養成施設」に入学したうえで国家試験に合格し、免許を取得すれば美容師として認められます。ただ、美容師養成施設は仕事を紹介するための機関ではありません。そのため在学中に就職活動を進め、カリキュラム修了までに勤務先を自分で見つけておく必要があります。
美容師になるまでの費用や期間は養成施設の種類によっても異なるため、カリキュラムごとのシミュレーションが必要です。ここからは、美容師になるために必要なプロセスについて具体的に解説します。
美容師になるには?
美容師になるには大きく、以下のステップが必要です。
- 美容師養成施設の修了
- 国家資格の取得
- 美容院への就職
美容師は国家資格のため、国家試験の合格が求められます。ここからは、美容師免許取得の条件について見ていきましょう。
美容師免許(国家資格)の取得が必須
美容師として働くためには、美容師免許が必須です。国家試験の受験には厚生労働大臣(または都道府県知事)によって指定された美容師養成施設を修了する必要があります。国家試験では学科試験と実技試験があり、美容師免許取得には両方の合格が必要です。
美容師免許を取得するには?
美容師免許を取得するには大きく、「専門学校に通う」「国家試験に合格する」という2つのプロセスがあります。それぞれ具体的に見ていきましょう。
厚生労働大臣指定の「美容師養成施設」を卒業する
美容師免許の取得には、厚生労働大臣(または都道府県知事)が指定した「美容師養成施設」を卒業する必要があります。美容師養成施設には大きく日中型、夜間型、通信型の3種類があり、日中型・夜間型では2年間、通信型では3年間の通学が必要です。
美容師養成施設のカリキュラムは大きく、学科(座学)と実技に分かれます。美容師はお客さんの健康管理に直接かかわる職種のため、カットやシャンプーの技術だけでなく、関連する法令や薬剤の取扱い方法についても深く学びます。また、美容業界の歴史やスタイリングの文化論、運営管理の知識などは将来的に独立開業する際に役立つでしょう。
実技ではカットやブローなど、美容師として求められる基本技術から応用まで幅広くスキルを身につけます。
通信課程でも美容師免許の取得が可能です。通信制の専門学校では主にテキストを使った自宅学習となり、定期的なスクーリング(通学授業)によって実技指導を受けます。
厚生労働大臣(または都道府県知事)が認可していれば、どの専門学校でも規定のカリキュラムを修了することで国家試験の受検が可能です。ただ、美容師の専門学校を謳っているからといってすべての学校が厚生労働大臣によって認可されているわけではありません。たとえ専門学校を修了していたとしても、認可が下りたところでなければ国家資格の受検は認められないのです。
そのため、美容師を目指す際は必ず、厚生労働大臣(または都道府県知事)の認可が下りているかどうかを確認しましょう。
美容師国家試験に合格する

専門学校を修了して美容師免許を取得するには、国家試験の合格が必要です。美容師の国家試験は年2回、春期(1月〜3月)と秋期(7月〜9月)に行われます。
受検にあたっては、実技・筆記の両方で25,000円、どちらか一方で12,500円の受検料が必要です。実技試験は第一課題と第二課題、衛生実技技術審査に分かれます。
- 第一課題(カッティング)
- 第二課題(セッティング)
カッティングでは与えられたスタイル構成や技術要件に合わせて、ウィッグを使って実際にスタイリングを行います。セッティングはさらに「ワインディング」と「オールウェーブセッティング」に分かれており、実際に出題されるのはどちらか一方のみです。
それぞれの制限時間は以下のように決められています。
- カッティング:20分
- ワインディング:20分
- オールウェーブセッティング:25分
特に、ワインディングとオールウェーブセッティングでは制限時間や難易度が異なるため、どちらにも対応できるように、万全の対策が必要です。衛生実技技術審査はカッティング、セッティングと併行して行われます。衛生実技技術審査の内容は以下の通りです。
- 動的審査(安全面・衛生面への留意をチェック)
- 静的審査(服装や用具の扱いが衛生面で適切かどうかをチェック)
- 確認的審査(使用後の用具の衛生処理をチェック)
筆記試験、実技試験、衛生実技技術審査をバランスよく対策しておくことで国家試験の合格率上昇につながります。
美容師免許の難易度
美容師国家試験の難易度は試験によって異なりますが、平均で60%〜80%です。2024年3月に実施された第49回試験の合格率は86.5%と発表されており、高い水準で推移していることがわかります。筆記試験ではトータルで54問が出題されており、そのうちの60%にあたる32問以上正解していれば合格です。
実技試験の合格基準は以下のように定められています。
- 衛生上の取扱試験の減点が20点以下
- 基礎的技術試験(第1課題)カッティングの減点が30点以下
- 基礎的技術試験(第2課題)オールウェーブセッティングの減点が30点以下
筆記試験・実技試験ともに採点基準は数年おきに見直されるため、最新の動向をつねにチェックしておきましょう。
美容師になるための学校の種類
費用 | 期間 | おすすめポイント | |
昼間課程 | 200~300万円 | 2~3年 | 授業のコマ数が多い 体調管理がしやすい |
夜間課程 | 3年 | 100~150万円 | 授業料が安い |
通信課程 | 3年 | 50~100万円 | 自宅で学べる |
高専専修学校 | 2年 | 50~150万円 | 就職に有利 |
美容師になるための専門学校には大きく、以下の4つの種類があります。
- 昼間課程
- 夜間課程
- 通信課程
- 高専専修学校
それぞれに学費やカリキュラム、年数が異なるため、事前のシミュレーションが必要です。ここでは、美容師を目指せる4つのルートについて、カリキュラムや費用の視点から比較しましょう。
昼間課程の専門学校
日中の時間帯にスクールに通い、知識・技術を習得する形式です。基本的には平日の5日間通い、規定のカリキュラムをこなします。修了までの通学期間は平均で2年程度、学費は200〜300万円前後です。
昼間課程ではスクールに通う日数や時間は増えますが、必要な知識や技術を体系的に習得できます。一般的な学校に近いタイムスケジュールで学べるため、平日の日中にまとまった時間を取れる人や、「学校のような場所で時間をかけて美容師を目指したい」という人におすすめです。
夜間課程の専門学校
夕方以降(18:00~21:30)の時間帯にスクールに通う形式です。基本的なカリキュラムは昼間課程と同じですが、日中と比較して授業のコマ数が少ないため、卒業までに年数がかかります。費用面では昼間課程よりも安く、平均で100万円〜150万円前後です。スクールのエリアによっては数十万円程度で修了できるスクールもあります。
夜間課程であれば日中に仕事があってもスクールに通えるため、「働きながら美容師を目指したい」「本業を続けながら美容師への転職を実現させたい」という人におすすめです。
通信課程の専門学校
自宅にいながらにして通信教育で美容師のスキルを身につける形式です。自宅では送られてくるテキストを中心に学習を進めつつ、スクールから送られてくるレポート課題を提出する形で知識・スキルを習得します。実技指導は定期的なスクーリングとして行われます。
通信課程であれば学科については自宅で進められるため、日中・夜間ともになかなかスクールに通うことができない、自分のペースで学習を進めたい人におすすめです。
レポート課題については期日さえ守れば自分のペースで進められるため、日中や夜間に仕事がある人でも併行してスキルを習得できます。スクーリングの日程も、スケジュールに合わせて調整可能です。
学費が比較的安い点も、通信課程のメリットとして挙げられます。昼間課程の学費が平均で200万〜300万円であるのに対し、通信課程の学費は平均で50万円〜100万円です。そのため、「最低限のコストで美容師を目指したい」という人にも向いています。
美容師を目指せる高等専修学校
高等専修学校は中学卒業者が入学できる専門学校です。美容師の高専専修学校では一般的な専門学校よりも安い学費で技術や知識を習得できます。そのため、「まとまった学費を用意できないけど美容師を目指したい」という人におすすめです。
また、高専専修学校は社会人も入学できます。中卒であれば基本的に誰でも入れるため、「高校を卒業していないけど社会人になってから美容師を目指したくなった」という人にもおすすめです。
美容師の学校を選ぶときのポイント
ここまでは美容師を目指せる専門学校のルートについて解説してきました。美容師を目指すにあたってはまとまった時間と費用が必要なため、自分に合った学校選びが大切です。ここでは、美容師の学校を選ぶ際に意識したほうがいいポイントを解説します。
1.カリキュラムの内容はどうか
カリキュラムの内容は学校選びの大切なポイントです。美容師専門学校のカリキュラムは、学校ごとに異なります。学科試験の対策をより重視している学校もあれば、実技指導のほうに重きを置いているところもあります。
また、通信課程の場合、スクーリングやレポート課題の頻度がスクールによって変わってくるため、事前のチェックが必要です。
理論を深く学びたい人は学科重視のスクールを選んだり、高度なテクニックを効率よく習得したい人は実技指導を重視するスクールに通ったりと、目標や動機に合わせたスクール選びを意識しましょう。
2.講師の質はどうか
美容師の専門学校では講師陣の質や相性によって学習のしやすさが大きく左右されます。トップスタイリストなど、より上位の専門資格を取得しているプロフェッショナルを講師陣として迎えているスクールであれば、質の高いレッスンが受けられる可能性が高いため、おすすめです。
条件に合ったスクールが見つかったら、一度Webサイトやパンフレットで講師陣の実績やレッスンスタイルをチェックしましょう。
3.最新の美容が学べるか

ヘアスタイルや美容の最新トレンドは時代とともに変化します。専門学校では最新の美容情報やテクニックを学び、時代に即した知識を身につけることで美容師としてのスキル向上が可能です。
スクールによっては現役を退いたスタイリストを講師陣として迎えていたり、時代に合わないスタイリングを中心に教えたりしているところもあります。また、衛生管理や法令の知識も時代によって変わるため、施術の安全性を保つ意味でも最新の知識の習得は非常に重要です。
Webサイトからスクールのカリキュラムをチェックして、最新の技術が学べるところを選びましょう。
4.キャリアサポートが受けられるか

美容師の専門学校を選ぶうえでカリキュラムと並んで重要なのがキャリアサポートです。せっかく専門学校を修了しても就職先となる美容室やサロンを見つけられなければ、美容師としての知識・スキルを活かすことはできません。
最近ではどこの専門学校も卒業後の就職をバックアップするため、プロによるキャリアサポートを充実させています。特に、美容室のグループ企業が運営する専門学校では卒業後、系列の美容室に即戦力として採用されるルートを用意しています。そのため、美容師としてすぐに働きたい人にはおすすめです。
もちろん、法人が運営する専門学校であっても継続的なキャリアカウンセリングや求人案内など、美容師としてのキャリアプラン充実を在学中からサポートしています。専門学校のキャリアサポートの充実度は、Webサイトのクチコミや系列店の数などから比較可能です。美容師としての知識・スキルを最大限に活かすためにも、キャリアサポートに力を入れている専門学校を選びましょう。
美容師の就職活動はいつから?
美容師をはじめ、美容学生の就職活動は2年生から始まるのが一般的です。具体的には2年生の夏から秋口にかけて就活をスタートさせるパターンが多く、卒業の時点ですでに内定をもらうのが理想的なゴールとして考えられます。
一方で、最近では1年生のうちから就活を始める美容学位が増えています。一般的な業界と同じく、美容業界でも早い段階で就活を始めるほうが有利です。
また、美容師の国家試験は基本的に2年生の2月に受けるため、卒業間近に就活を始めると試験対策と重なってしまう問題があります。1年生の後半から少しずつ就活の情報を集め、2年生の夏あたりには内定につなげるのが理想的なスケジュールです。
ただ、美容業界では一般企業のように合同説明会が少ないため、就活が特殊な面があります。
美容師の就活パターンは、主に以下の3つです。
- 美容室でアルバイトをする
- 美容室を見学する
- 美容室にお客として通う
採用に直接つながらないパターンもありますが、アルバイトや見学を通していくつかの美容室をチェックしておくことで、美容業界の雰囲気が自然とわかります。同じ美容室に何度も通ってスタイリストと仲良くなれば、効率的な試験対策を聞けるかもしれません。
さらに、アルバイトから試験合格後、美容師として正式採用につながるケースもあります。
専門学校のキャリアサポートも活用しつつ、自分に合ったスタイルで就活を進めましょう。
美容師を目指す際の注意点
美容師を目指すうえで何よりも大切なのが学校選びです。美容師免許の国家試験を得るには、厚生労働大臣(または都道府県知事)による認可を受けた専門学校を修了する必要があります。美容師を目指すなら必ず、認可を受けた専門学校を選びましょう。
就活では、面接対策も重要です。苦労して国家試験に合格しても、美容室の採用面接を通過しなければ就職にはつながりません。面接では社会人として当たり前のマナーを心がけましょう。服装や髪型は清潔感を意識し、丁寧な言葉遣いを徹底するのが基本です。そのほか、面接の注意点としては以下のポイントが挙げられます。
- 自己紹介では意気込みを具体的にアピールする
- 逆質問をいくつか用意しておく
- 給与面などをストレートに聞かない
自己紹介は印象を大きく左右します。未経験の場合は美容師への憧れや熱意を具体的にアピールすることで好印象につながるでしょう。転職組の場合は前職で培ったスキルや転職動機を簡潔に伝えることで、社会人としても即戦力であるという印象を与えられます。
給与面や福利厚生は長く働くうえで大切ですが、あまりストレートに聞くのはNGです。面接では「より詳細な条件のほうはいつ頃御提示いただけますでしょうか」などの表現に置き換え、先方からの返答を待つのがマナーです。
美容師を目指すなら 「横浜ベルエポック美容専門学校」
美容師になるには厚生労働大臣(または都道府県知事)による認可を受けた専門学校を修了し、国家試験に合格する必要があります。学科(座学)と実技をバランスよく習得し、在学中から就活を進めることで卒業後の採用率アップが可能です。
「横浜ベルエポック美容専門学校」は美容師を目指すすべての人を応援するため、2025年4月に開校しました。第一線のプロフェッショナルを講師陣として揃え、美容の基本から応用テクニックまで幅広く学べるカリキュラムを整えています。オープンキャンパスや個別説明会を定期的に開催しているため、入学前からの御相談も可能です。広々と開放感のあるキャンパスで、楽しみながら美容の最新トレンドを学べます。
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