美容師の年収は?年齢や役職別の年収比較・収入アップでできること11選

美容師として働くなかで、自分の経済的価値を理解するのはとても重要です。なぜなら、自分の年収が業界の平均と比べて適切かどうかは仕事を続けていくうえで重要な判断材料となるからです。

本記事では、こうした美容師の疑問や懸念を解消するための情報を紹介しています。また、美容師として収入をアップするためにできること11選として、具体的なアクションプランを説明します。現在の給料に不満がある、あるいは自分自身のキャリアプランに悩んでいる方の参考になれば幸いです。

美容師の年収は?

厚生労働省が示している「賃金構造基本統計調査」によれば、美容師の平均年収は約312万円です。この金額は男女合計の年齢が32歳、企業規模が10名以上の場合を基にしています。

なお、上記の金額は手取り年収ではなく額面上の年収を示しています。つまり、社会保険料や税金が控除される前の金額のため、手元に残るのは実際の額よりも少なくなる点は理解しておきましょう。

参考:令和4年賃金構造基本統計調査

男女の美容師で年収の違いはあるのか

美容師の年収には、男女間で確かな開きがあります。先述した厚生労働省のデータでは、男性美容師の年収が女性美容師を20~30万円上回っています。男女間の年収差が生じる理由は主に2つです。

ひとつ目は、仕事をするうえでの身体への負担です。美容師は長時間立ち姿勢で顧客へサービスを提供するため、腰痛になる可能性があります。美容師は体力的に厳しい側面もあるため、身体への負担を考慮し、正社員より収入の少ないアルバイトやパートを希望する方も少なくありません。

2つ目の理由は、ライフイベントの影響です。正社員で働いていても結婚・出産などのイベントによって生活環境は大きく変化します。そして、産休や育休からの復帰が難しい場合、正社員よりも収入面は劣りますが、時間的拘束が少ないパートを選ぶ方も多くいます。

しかし、美容師業界も進化しており、女性美容師が活躍しやすい環境を提供する企業も年々増加傾向にあります。

理容師との年収の違い

理容師は主に男性向けのサービスを提供し、その主な目的は顧客の身だしなみを整えることです。理容師が提供するサービスには顔そりが含まれており、美容師が提供できない特別なスキルとなっています。

年収面で2つの業種を比較した場合、大きな違いはありません。しかし、美容師は多くの企業で歩合制を導入しており、人気の美容師になれば高年収を得るのも夢ではありません。理由として、美容師が提供するサービスの質や量が直接収入に反映されるためです。

一方、理容師は基本的に固定給制を採用しているため、収入の格差は美容師ほど大きくありません。

美容師の役職別年収比較

役職ごとの年収を理解することは、美容師を続けていくためには重要な情報です。ここでは、役職ごとの平均年収を解説します。

アシスタント

美容師としてのキャリアは、アシスタントから始まります。アシスタントの平均年収は、150万円~180万円とほかの業種と比べると低いかもしれません。しかし、アシスタントの期間は美容師の基本的な技術を学び、スキルを磨く重要な時間といえます。

これは美容師としての経験を積むことで技術が向上し、顧客の要望に対して細やかに対応できるようになるからです。ジュニアスタイリストの経験はその後のキャリア形成においての土台となるため、重要な位置づけとなっています。

スタイリスト

スタイリストの平均年収は、250万円~300万円程度です。この役職は美容師としての基本的なスキルを身につけており、アシスタントへの指導も任されるようになります。それゆえ、スタイリストは美容師のキャリアにおいて重要なポジションといえるでしょう。

また、この役職は顧客からの指名が増え、ほかのスタイリストと比較される機会も増えてきます。したがって、スタイリストはキャリアアップにおいて重要なステップであり、自身の技術や経験が評価されて報酬が上昇する絶好の機会でもあります。

チーフ

美容師の役職のなかで、「チーフ」はとくに重要な存在です。平均的な年収は約300万円~350万円で、店長の右腕として多岐にわたり業務に関わります。具体的な業務は、他従業員への指示出しや指導にとどまらず、店舗の業績管理やスタッフの育成、顧客対応とさまざまです。

また、チーフは店舗や企業によって「副店長」とも呼ばれ、店長不在時の責任者として役割を果たすこともあります。そのため、チーフは美容師としての高い技術力だけでなく、リーダーシップやコミュニケーション能力、問題解決能力なども求められます。

店長

店長としての平均年収は、約350万円〜450万円です。店長の仕事は、従業員の指導・売上の管理・オーナーとの対応など、店舗運営全般に関わります。美容師としての経験とスキルだけでなく、リーダーシップやマネジメント能力が評価され、それによって高い収入が得られます。

経営者・オーナー

経営者やオーナーの年収は、年間売上の10%から20%が一般的です。たとえば、年間売上が4,000万円であれば年収は400万円~800万円となります。

しかし、自分で店舗経営をするときは美容師としての技術やサービスだけでなく、経営やマネジメントのスキルも必要です。また、経営者やオーナーとしての収入は、店舗の売上や経営状況に直結するため、収入は一定ではなく変動します。

そのため、成功すれば大きな収入を得られますが、経営がうまくいかなければ負債を抱えるリスクは想定しておかなければなりません。

美容師の年収が低い6つ理由

美容師の年収は他業種より低いイメージがありますが、本当のところはどうなのでしょうか。次に美容師の年収が低い6つの理由を解説します。

固定費の高さ

美容師の年収が他業種に比べて低い一因として、固定費の高さが考えられます。固定費の高騰によって企業の利益が圧迫され、それが年収に反映されるためです。固定費で大きなウエイトを占めるのが店舗のテナント料です。

とくに、商業地域や人通りの多いエリアに位置する店舗は、テナント料が高騰する傾向があります。続いて、水道光熱費も必ず発生する固定費です。美容室では、カット・パーマ・カラーリングなどのサービスを提供する際に大量の水を使用します。

また、顧客が快適に過ごせるよう、店舗の温度や照明を調整するにも電力が必要です。これらの水道光熱費も美容室の売上から差し引かれるため、美容師の年収を低下させる要因となっています。

最後に人件費も重要な固定費です。美容室の運営には多くの人々の協力が必要になります。職場で働くすべてのスタッフの給料は「人件費」として計上され、企業の利益に大きな影響を与えます。

同業他社との価格競争

美容業界では近年、価格競争が激化しています。これは、顧客ニーズの変化と業界全体のビジネスモデルの変革によるものです。顧客のニーズは、従来の「高品質なサービス」から「時間と効率」へとシフトしています。

具体例として、カットだけを専門に行う「1,000円カット」のようなサービスがあげられます。こちらは顧客が「髪をカットする」といったサービスに重点を置くことで、時間短縮と低価格を追求するビジネスモデルです。

このように同業他社との価格競争で利益が確保しにくい環境は、美容師の年収が他業種に比べて上がりにくい要因となっています。

一人前になるまでの期間が長い

美容師で一人前とされる「スタイリスト」に到達するには、約3年の時間が必要です。それまでの期間はアシスタントとして働き、必要な技術や知識を身につけていくのが基本です。

アシスタント時代の給料は、他業種に比べても低い金額になっています。なぜならば、アシスタントは一人前の美容師とは認識されていないからです。こうした下積み時代が長期間発生することが、美容師の平均年収を下げる要因となっています。

集客に時間と労力がかかる

美容室の収益は、来店数に依存します。美容室に顧客が来店しなければ、売上は上がらないからです。新規顧客を獲得するには地道なチラシ作成や駅前でのティッシュ配りなど、さまざまな集客活動が必要となります。

これらの活動は時間と労力だけでなく、集客コストも軽視できない問題です。固定費同様、集客に伴う広告費用も美容室の売上を圧迫させる要因となっています。

店舗によって歩合制の割合に差がある

美容師の年収が他業種に比べて低い主な理由は、賞与の低さも多大に影響しています。美容業界で賞与が低くなるのは、多くの美容室が歩合制を導入しているからです。歩合制とは、美容師の働きに応じて報酬が決定される制度です。

この制度は、顧客からの指名数や施術による売上などが直接報酬に影響を与えます。そのため基本給は低めに設定し、歩合によって報酬の差をつけているところがほとんどです。

以上の点を踏まえると、美容業界では賞与よりも歩合を重要視しているため、美容師の賞与が低くなり結果的に美容師の年収を引き下げています。

美容師で1,000万円プレイヤーは可能?

美容師として年収1,000万円を稼ぐことは可能ですが、容易ではありません。なぜなら、1,000万円といった高額な年収を得ている美容師は全体のわずか1%程度だからです。そのため、技術面や接客面などのスキルアップだけではなく指名客を確保するマーケティング力など、さまざまな「努力」が欠かせません。

また、顧客からの信頼・評価を得るには、一貫したサービスの提供と最新の美容トレンドを勉強し続けることも大切です。なお、カリスマ美容師と呼ばれるトップスタイリストの年収は800万円程度となっています。

美容師の年収をアップさせるためにできること11選

美容師の年収アップは、一夜にして実現できるものではありません。しかし、これから紹介する11の具体的なアクションに取り組むことで、年収アップの可能性が広がります。すぐに実行できるものもあるので、できる範囲から取り組むとよいでしょう。

1.美容師としてのスキルアップ

美容師の年収アップでもっとも重要なポイントは、自身のスキルを向上させることです。美容師の報酬が、提供するサービスのクオリティに反映されるからです。美容師のスキルは主に技術面と接客面にわかれ、美容師を続けるうえで必要不可欠なスキルとなっています。

技術面

近年の美容師業界では、カット・カラーリング・パーマといった基本的な技術だけでなく、最新のヘアスタイルや施術法を学ぶことも必要です。美容業界は新しいトレンドや技術が日々進化し、新しい知識と技術を追求する姿勢が求められます。

接客面

美容師は髪をカットするだけでなく、顧客のライフスタイルや好みを理解し、状況に合わせたスタイルの提案が求められます。そのため、顧客のニーズや悩みにアドバイスできるコミュニケーション力や柔軟性も重要です。

2.資格の取得

美容師の年収をアップさせるうえで、資格取得は必要不可欠です。資格を取得することで、美容師としての専門性や技術力を証明できるからです。美容師の年収アップに期待できる資格を以下で解説します。

管理美容師

管理美容師は、2人以上が在籍する美容室に必要となる資格です。資格保有者は、美容室内の衛生管理責任が公に認められます。衛生管理は美容室運営において重要な要素であり、顧客に対して安心感を提供します。

ヘアカラリスト検定

ヘアカラリスト検定は、NPO法人日本ヘアカラー協会が認定する資格です。ヘアカラーの専門家として認識されるため、カラーリングにこだわりを持つ顧客から高い評価が得られます。専門性を高める資格を保有することで、指名数増加が期待できるため年収アップにも寄与します。

パーソナルカラリスト検定

パーソナルカラリスト検定は、「人と色」を重要視する資格で色彩と配色について深い知識が身につけられます。この資格の保有者は顧客に対してパーソナルな色彩提案ができるため、顧客満足度向上=指名数アップにつながる可能性が高まります。

3.昇進を目指す

どの企業も役職が上がるにつれて、年収も高くなるのが一般的です。アシスタントからスタイリストに昇進すると、年収は100万円程度アップします。これは昇進によって担当する業務や責任が増え、それに伴い給与も上昇するからです。

しかし、昇進には時間と努力が必要となるため、短期間で年収アップを求める方には難しいかもしれません。

4.フリーランスで働く

美容師のなかには、どの店舗にも属さず「フリーランス」として働く人もいます。フリーランス美容師は、複数の美容室と業務委託契約を結ぶなど、自分の時間とスキルを生かしたビジネスが可能です。

もちろん、担当する顧客数が増えれば年収もアップするかもしれません。ただし、固定客がつかなかったり、病気やケガなどで長期離脱したりすると、収入が大幅に減少するリスクは理解しておく必要があります。

5.高待遇の企業に転職する

美容師の年収を上げるには、高待遇の企業に転職するのも選択肢のひとつです。昇級昇格制度・歩合制の還元率が高いといった高待遇な企業への転職は、年収を高める要因になります。

注意点として、転職は新たな職場での人間関係や仕事内容に適応する時間と対応力が必要なことが挙げられます。そのため、十分な情報収集をしてから転職するか否かを決めるとよいでしょう。

6.セミナーを開催する

美容師としての知識やスキルを第三者に教えられれば、セミナーや講習などで副収入を得られるかもしれません。Zoomなどのオンラインツールを活用することで、店舗や自宅で簡単にセミナーや講習を開催できます。

セミナーなどを介して自身の知識やスキルを収益化することで、企業から支払われる給料以外の収入が期待できます。

7.独立して店舗経営者となる

独立して店舗経営者になれば、年収を上げるチャンスが大きく広がります。なぜなら、売上から経費を差し引いた金額がそのまま自分の給料となるためです。さらに、オリジナルの商品を販売・ネイルやまつ毛美容といった美容全般のサービスを提供すれば、さらなる収入アップが期待できます。

ただし、店舗経営者になることは年収アップとして有効な手段ですが、経営難のリスクも十分考慮して独立するかどうかを決める必要があります。

8.指名してくれるリピーターを増やす

美容師の年収を上げるには、「リピーター」を増やすことも重要な戦略です。リピーターとは、定期的に利用してくれる顧客を指します。リピーターは店舗の売上に大きく貢献してくれる存在であり、リピーターが多くいれば指名数も増え、結果的に収入アップにつながります。

なお、リピーターを増やすには顧客と継続的な交流を持つことが大切です。顧客の美容に関する問題を解決したり、新たなスタイルを提案したりすることで、顧客との信頼関係が構築できます。

9.SNSを使った情報発信を積極的に行う

SNSは美容師としての技術や作品を広く公開し、自分のスキルを多くの方に認知してもらうための有効なツールです。具体的には、InstagramやX(旧Twitter)などのプラットフォームを活用し、自分の施術したヘアスタイルの写真やビデオをアップロードします。

SNSを通じて、自分が施術したヘアスタイルを気に入った方々が来店してくれるかもしれません。また、美容室のおすすめ情報やプロモーションをアップすることで、新しい顧客を獲得するチャンスも広がります。

なお、SNSを活用する際は更新頻度が重要です。毎日投稿するのが難しい場合でも、定期的な更新を心がければフォロワーからの信頼を得られます。SNSの活用は年収アップだけでなく顧客との信頼関係構築など、さまざまな面でメリットがあります。

10.ブログを立ち上げる

美容師の年収アップには、ブログ運営も有効な手段です。ブログを通じて美容に関する情報を提供し、新たな顧客を引き寄せられるかもしれません。ブログとSNSの大きな違いは、ブログでは自分の考え方や提案をより深く発信できる点です。

例をあげると、美容に関する悩みや読者からの質問をブログ内で記事にすることで、読者の悩みを解決するとともに専門性もアピールできます。さらに、ブログは長文のコンテンツも扱えるため、深く掘り下げた情報提供ができるのも魅力のひとつです。

11.将来性のある副業を行う

美容師の年収をアップさせるには、将来に活かせる副業に取り組むのもひとつの選択肢です。注目すべき副業として、「スポットバイト」があげられます。自身のスキルを利用して一時的な仕事を行う形態で、美容業界でもニーズが高まっています。

一例として、募集掲載している美容室と自分のスキルがマッチングすれば、指定された日時に美容室に出向き施術をするのが基本的な流れです。なお、スポットバイトのメリットはスキルアップと人脈拡大です。

異なる美容室で働くことで新たな技術や知識を身につける機会が増えるだけでなく、ほかの美容室の方々との人脈を広げられます。ただし、副業を行う際には主業とのバランスが重要です。

過度に副業に時間を割いてしまうと、主業のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性がある点は留意してください。

美容師が美容室の店長になるには

美容師としてキャリアを積むうえで、「店長」は大きな目標です。店長になると業務範囲はもちろんですが、報酬もほかの役職とは大きく異なります。それでは、どのようなステップを経れば店長になれるのでしょうか。次章から店長になるための方法を解説します。

大手の美容室に就職して店長を目指す

大手の美容室では「雇われ店長」が一般的で、美容室を経営しているオーナーが別にいる場合に適用されます。オーナーの方針によって、仕事の決済範囲が決められるのは少し窮屈かもしれません。しかし、店舗責任者としての業務は多岐にわたり「やりがい」もひと塩です。

大手美容室における店長の役割は店舗経営をはじめ、多くの経験を積める大きなチャンスとなっています。

独立して自分の店舗で店長となる

自分で独立・開業した場合は「オーナー店長」の名称になります。このビジネスモデルは、完全成果報酬型で自分の才能やビジョンを最大限に活かせる一方、経営リスクも自分で負わなければなりません。

経済状況の変動や競合他社との競争、さらには自身の健康状態など、さまざまな要素が直接的に収入面へ影響します。オーナー店長として成功するには、美容師のスキルだけでなく、経営に関する深い知識と経験も必要とされます。

美容師が店舗責任者になるメリット・デメリット|2つの店長のケース

ここでは、美容師が店長(店舗責任者)になるメリットとデメリットを解説します。雇われ店長・オーナー店長、それぞれのケースに沿った具体例を提供することで多角的な視点から「店長」を紐解きます。

雇われ店長のメリット

雇われ店長のメリットは、主に2つあります。ひとつ目は、安定した収入が得られる点です。個人で経営を行うオーナー店長とは給与形態が異なるため、経済的な安定を求める美容師にとっては大きな魅力です。

雇われ店長は売上が一時的に下がったとしても、給与が大幅に減少することはありません。たとえば、結婚後に子どもができたり住宅を購入したりといった将来設計を立てるうえで安定した収入は大きな利点です。

続いてのメリットは、経営責任を問われない点です。自分で店舗を経営するオーナー店長とは異なり、店舗が赤字になったとしても責任をすべて負うことはありません。また、万が一解雇された場合も「失業給付」が受けられます。

これは雇用保険制度が適用されるためで、以上の点から雇われ店長には「安定」・「保障」の2つのメリットがあるといえるでしょう。

雇われ店長のデメリット

雇われ店長は、安定や保障を享受できる反面、3つのデメリットを理解しておく必要があります。ひとつ目のデメリットは、店舗間の異動がある点です。店長としての経験を増やし、管理能力を鍛える狙いがあります。

人事異動により長時間の通勤やプライベートの時間が削られるなど、大きなストレスとなるかもしれません。人事異動を常に気にしなければならないのは、雇われ店長の大きなデメリットといえるでしょう。

続いてのデメリットは、店長以外の業務を併用することです。雇われ店長は美容師業務だけでなく、新人育成・採用・人間関係のトラブル解決など、さまざまな業務を兼務しなければなりません。

とくに、人間関係のトラブル解決や新人育成はコミュニケーションやリーダーシップの能力が求められるため、メンタル面で大きな負担となる可能性があります。そして、デメリットの最後は売上のノルマを課せられる点です。

大手の美容室では、売上目標といった「ノルマ」が課せられるケースもあります。このノルマへのプレッシャーはストレスに感じる可能性が高く、美容師としての業務に支障をきたしてしまうかもしれません。

これは店長としての責任として避けられない部分であり、プレッシャーに耐える能力も必要とされます。

オーナー店長のメリット

オーナー店長には、雇われ店長とは異なるメリットが3つあります。まずは、ワークスタイルが自由に決められる点です。オーナー店長は自分の裁量で働き方を決められるからです。仕事の優先順位・休日の設定など、すべてが自分の裁量に委ねられます。自分自身のライフスタイルに合わせた働き方が可能になるのは、オーナー店長の大きなメリットです。

2つ目のメリットは、収入アップが期待できる点です。オーナー店長は店舗運営に直接関与しているため、店舗の売上が直接収入につながります。その結果、自分の努力と結果次第で経済的な成功が期待できます。また、自分で練り上げた戦略が直接売上に影響を与えるため、達成感が倍増するのもオーナー店長の魅力のひとつです。

メリットの最後は、人間関係のトラブルから解放される点です。自分の店舗を持つことで複雑な人間関係に悩む必要がなくなります。職場でのストレスが大幅に減少し、より楽しい働き方を実現するための重要な要素です。また、自分に採用の決裁権があるため、自分と相性のよいスタッフを選ぶことも可能になります。

オーナー店長のデメリット

オーナー店長は魅力的なメリットもありますが、理解しておくべきデメリットが3つ存在します。最初のデメリットは事業がうまくいかなかった場合、経営責任を全うしなければならない点です。

自分のビジョンに基づいて店舗運営を行うため、結果はすべて自分に帰属します。事業が成功すれば大きな収益が期待できますが、逆に事業が失敗すると大きな負担となる点はデメリットといえるでしょう。

次のデメリットとして、売上に直結する数多くの施策を考えなければならないことが挙げられます。具体例として、マーケティング戦略の立案・広告の作成・SNSでの情報発信など、多くの時間と労力を必要とする作業が含まれます。

デメリットの最後は収入の不安定さです。売上によって収入が変動するため、店舗の経営状況によっては収入が大きく減少する可能性があります。万が一、事業がうまくいかない場合、自己資本を失うリスクも覚悟しておかなければなりません。

まとめ

本記事では、美容師の年収を向上させる具体的な手段を11項目にわたって解説しました。美容師としての昇進・フリーランスとしての活動・転職の選択・セミナーや講習の開催など、年収がアップするさまざま取り組みを取り上げました。

さらに、美容師が目指すキャリアの上位である「店長」のメリットとデメリットについても深く掘り下げています。雇われ店長とオーナー店長、それぞれの立場での利点と課題を具体的に示し、美容師が自身のキャリアを見つめ直すための情報を提供しました。

美容師として、年収をアップさせたい方は今回の記事を参考に、今日から具体的にアクションをしてみてはいかがでしょうか。